1985 年 85 巻 6 号 p. 447-451
新しく見い出された,SGB1534の循環動態に対する影響とその作用機序について,麻酔ビーグル犬を用い検討した.SGB1534(0.01 μg/kg, i.v.)により,平均血圧は8%減少し,心拍数は一過性に増加後,減少に転じた.末梢血管抵抗は減少したがVpmと時定数“T”はほとんど不変であった.phenylephrineによる昇圧反応はSGB1534によりほぼ完全に抑制された.propranololとprazosin前投与下での,norepinephrineによる昇圧反応はyohimbineで抑制されたがSGB1534では抑制されなかった.prazosinとyohimbine前投与下でのisoproterenolによる心拍数の増加作用はSGB1534で影響を受けなかった.これらの結果はSGBl534が選択的なα1-受容体遮断作用を有していることを示す.