1987 年 89 巻 2 号 p. 55-62
KB-2413のI型~IV型アレルギー反応に及ぼす影響について検討した.KB-2413はIgE関与のモルモットhomologous PCAおよび受動感作モルモットの気道収縮反応を経口投与で抑制し,ED50値はそれぞれ0.0017mg/kg,p.o.および0.022mg/kg,p.o.であった.また,KB-2413は能動感作モルモットにおけるIgG関与の気道収縮反応に対しても抑制作用を示し,そのED50値は0.024mg/kg,p.o.であった.補体関与の免疫溶血反応に対し,KB-2413は濃度依存的な抑制作用を示した.この作用は補体関与のない低張溶血反応においても同様に観察された.従って,KB-2413の溶血反応抑制作用は抗補体作用に基づくものではないと推察された.Forssman systemic reactionに対しKB-2413 30mg/kg,p.o.は何ら影響を及ぼさなかった.KB-2413 30mg/kg,p.o.はモルモット受動Arthus反応に対し何ら影響を及ぼさなかったが,ウサギ能動Arthus反応の初期反応を有意に抑制した.マウスのpicryl l chloride誘発遅延型皮膚反応の反応惹起段階に対し,KB-2413 30mg/kg,p.o.は有意な抑制作用を示した.以上の成績より,KB-2413はI型アレルギー反応を特に強く抑制し,さらにII型,III型およびIV型アレルギー反応に対し軽度の抑制作用を示すことがわかった.