主催: 日本知能情報ファジィ学会
共催: 国際ファジィシステム学会
通常の自己組織化マップ(SOM)では、時系列情報を取り扱うことができない。そこで、本研究では時系列情報に対するSOMの応用を試みた。具体的には、遅延素子を用いて時系列情報を空間パターンへと変換し、SOMへの入力とする。時系列情報にはゴミ焼却炉のデータを用い、ダイオキシンの発生予測を目的として解析を試みた。ゴミ焼却炉における燃焼や化学反応は動的で複雑な環境であるため制御が非常に難しく、イオキシンの完全な抑制までは到達していない。SOMは近傍学習によって、類似した入力信号に対して類似した出力信号を生成することが可能である。この様なSOMの特性は、複雑な予測を扱う問題において非常に有効であると考える。そこで、ゴミ焼却炉データを用いて実際に計算機シュミレーションを行ったところ、正常状態と異常状態の分類において良好な分析結果が得られた。