本論文ではステレオ法を街並み画像に適用し,建物の形状の概略復元を行なう手法を提案する.まず,街並みのステレオ画像から建物輪郭の距離情報を推定する.光軸の平行性が保たれていない平行ステレオ法において,誤差を生じる問題がある.この問題に対し,カメラの回転を考慮したカメラモデルを提案し,この誤差を補正する.その後,それらの建物輪郭の組合せから建物を構成する平面を抽出する.この平面によって建物の形状を推定する.この手法の有効性を検証するために,街並み模型画像による復元実験を行なった.その結果,模型画像を用いた実験において対象物体の平面を抽出することができた.さらに,建物画像による距離推定実験を行い,提案したカメラモデルが有効であることを確認した.
