抄録
人間関係や社会構造を定量的に分析する測定法としてソシオメトリ分析があり、ファジィグラフ表現はその典型と考えられる。しかし、ノードや辺の数が増えると解析しやすいグラフを描画することは困難である。解析過程におけるファジィグラフの描画は、分割樹形図を利用する方法やグラフを階層構造化して重心法を利用する方法、また遺伝的アルゴリズムを利用して自動的に描画する方法などの研究が行われているが、実際に短時間で多くのノードを持ったファジィグラフの処理は不可能である。したがって、本論文ではソシオメトリ分析を具体的な対象として人間関係をサブグループ化やオピニオンリーダの存在などの解析を中心に、GAと重心法を組み合わせたハイブリッドGAを用いて効率の良いファジィグラフを描く方法を提案する。本論文はその詳細な方法とその検証結果を記述する。