抄録
鳥瞰的な視点からの情報を用いずに遠隔の移動体を操作する場合、ヒトが自己の身体で移動する際に活用できていたはずの、自己受容感覚や視覚に基づく運動感覚についての情報が種々の点で劣化するために、遠隔にある自己の分身とその周囲の環境物との位置関係の定位は非常に困難な作業となる.これについて、移動体の身体姿勢をそれと同型な操作変数として外在化させて操作者の運動感覚に訴える操作系を構築し、移動体操作へのその効果を分析した.さらに、このような外在化を通じて操作系に埋め込まれた近接情報と遠隔情報の間の制約構造によって、移動体を介する知覚動作と移動動作の間において、ヒトが自分自身の身体でもって移動する場合には自然に実現している協応構造と同様の振る舞いが容易になることを確認した.