抄録
故Pawlak教授によって1982年に提唱されたラフ集合は,様相論理とは表裏一体であり,また,位相空間とも関係が深い[6].本稿では,Scott-Montague(近傍)モデルから見たラフ集合の一般化を紹介し,一般化ラフ集合の位相に関するKondoの最近の結果に関してコメントする.まず,様相論理のポピュラーな意味論であるKripkeモデル・フレームとその拡張であるScott-Montagueモデル・フレームが紹介される.Scott-Montagueフレームは位相空間の近傍系の条件をすべて外したモデルであることが分かる.逆に,標準的な近傍系になる条件には,Scott-MontagueフレームがKripkeフレームになるための条件(フィルタの最小元の存在要請)が含まれないことを指摘する.1940年代から標準的な位相は様相体系S4と対応することが知られていた.S4に対応するKripkeフレームは反射的かつ推移的なフレームであるが,最近,Kondoは推移性の条件なしで,反射的であるだけで位相が構成できることを示した.これは標準的な位相がフィルタの最小元の存在要請の条件を含まないことに由来することが示唆される.