抄録
大腿骨を骨折した際,骨髄中に髄内釘を挿入し固定することで治療を行う.髄内釘の横止め穴にスクリューを差し込むことで固定を行う.現在では,X線を用いて骨内部を画像化して横止め穴位置を決定しているが被曝の危険性がある.そこで本論文では超音波アレイプローブを用いたフリーハンド走査による横止め穴位置決定法を提案する.まず超音波波形より振幅値を特徴値とした特徴値マップを作成する.その画像からファジィ推論を用いて横止め穴領域を抽出する.ファジィ推論には特徴値マップにおいて,8近傍の輝度値の平均値及び髄内定の長軸方向に沿った軸ごとの輝度値の分散という2つの知識を用いる.そして,取得画像と髄内釘の真値となる登録先画像を用いて位置合わせを行い,横止め穴位置を決定する.本手法を適用した結果, 2つの横止め穴の中心間距離を1mm以下の誤差で検出でき,それぞれの横止め穴位置を髄内釘の中心軸上で検出できた.