抄録
ファジィルールに基づく識別器は,容易に解釈可能で高い識別能力を有する.ファジィルールに基づく識別器を設計する場合,その精度と複雑性の間にはトレードオフの関係が存在する.本研究では,進化型多目的最適化手法により,精度と複雑性のトレードオフ曲線上の識別器を多数獲得し,その中から意思決定者が必要とする識別器を選択する.識別器を構成するルールの評価基準として信頼度と支持度という二つの基準がある.近年,信頼度最大化と支持度最大化に関してパレート最適であるルールが注目されている本論文では,パレート最適ルールから識別器を設計し,獲得される識別器の性能に及ぼされる影響を調査する.また,パレート最適性の条件を緩和し,パレート最適に近いルールから識別器を設計した場合の影響も調査する.数値実験では,パレート最適ルールを用いることで,短時間で同程度の汎化能力を持つ識別器が獲得できることを示す.