抄録
多くの学生は何らかの悩みに直面したとき,同じ学生コミュニティ内のメンバーに相談することが多い.しかし,単位制度や就職活動など学生コミュニティ内では解決できない悩みもある.そのようなとき,学生コミュニティ外に相談相手を見つけて相談することになるが,言語表現や価値観などがコミュニティ内外で異なることもあり,悩みの内容や状態を適切に理解できない恐れがある.そこで本研究では,ユーザが記述した悩み相談文面を解析し,その言語的特徴からユーザの悩みのジャンル(暮らし,学び,仕事)を判別する手法を提案する.この手法では,悩み相談文面に含まれる形態素の分布を自己組織化マップを使って解析し,ジャンル判別を行う.また,各悩みジャンルの観点から悩み相談文面に内包される感情を計算し,ユーザに提示する手法も提案する.さらに,本相談内容理解支援機能を持った,カウンセリングスケジュール管理システムも構築した.