抄録
FCM識別器は,ガウス混合モデルによる識別器のように,判別のクラス毎にデータ集合をファジィクラスターに分け,それらのメンバシップの重ね合わせで識別しようとするもので,複数の可変パラメータを設定し,粒子群最適化法(PSO)を用いて識別性能を改善している.しかし,クラスター毎の共分散行列とその固有値分解を用いるために,特徴抽出などの前処理なしで,高次元データや関係データを取り扱うことができない.
そこで,高次元データを直接用いることができるように,共分散行列に代えて内積の行列を用いてFCMクラスタリングを行う高次元データのための識別器が提案されている.本研究で提案する関係データのクラスタリング法はHathawayらの方法にクラスターの共分散構造を考慮に入れたものである.提案の識別器は,このクラスタリング結果を用いて新たな未知サンプルを関係データに基づいて識別する.