抄録
強化学習は,自律的に行動を学習するエージェントを,観測と行動に伴って環境から与えられる報酬を用いて設計するための機械学習の手法であり,動物の実世界環境における行動学習を模倣したものである.一方,人間の実世界環境でのスキル学習の過程にはスランプの状態があり,その発生と解決がより高度なスキルの獲得につながることが報告されている.そこで,強化学習においてスランプの概念を導入しシミュレートすることによって,学習の効率が向上する可能性があると考えられる.本稿では,強化学習におけるスランプの概念を定式化し,実装について述べ,スランプの導入の効果に関する評価実験の結果を報告する.