抄録
本研究では、熟練者の操作を教師信号として、ニューラルネットワークの一種であるCMAC学習を用いることによって熟練操縦者の操作特性をスキル獲得する手法を提案する。本手法では、CMAC学習アルゴリズム内の学習ゲインを動的に変動させる適応学習ゲインを用いて、CMAC学習の効率化手法を提案する。また、通常は多入力1出力であるCMAC学習アルゴリズムを複数用いることによって、熟練操縦者の複数の操作特性の獲得を目標とし、取得した操作特性をもとに自動操縦実験を行う。
さらに、本手法の有効性の検証を行うために、学習の対象として市販されている一般的なラジコンカーを用いることにした。ここでは熟練者はラジコンカーを天井カメラから取得される映像をもとに操作する。このとき、プロポから得られる複数の電圧をCMAC学習の教師信号として学習を行う。この実験により、本手法によって熟練者の操作特性が獲得されることを確認した。