主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 65-
太古代(40-25億年前)の地球大気は酸素濃度が低く,基礎生産の大部分は嫌気的光合成細菌が担っていたと考えられている.一方,太古代後期には酸素発生型光合成細菌の活動により一時的に酸素濃度が上昇していた可能性が地質記録から示唆されている.太古代の大気中ではメタン濃度が閾値を超えると,炭化水素で構成されたエアロゾルのもやが大気中で形成される.本研究では,大気光化学-海洋微生物生態系-炭素循環モデルを用い,太古代中期の無酸素条件および後期の微好気的条件において,もやの形成に伴う生態系の応答を調べた.その結果,もやの形成率の変化はどちらの条件でも異なるメカニズムを介して,生物活動に対する負のフィードバックとして働くことが明らかになった.微好気的条件ではたらく負のフィードバックは全球炭素循環の変化を安定化させることから,微好気的条件では,もやのかかった気候状態が安定に実現可能であることが明らかになった.