抄録
アンケートデータは,評点による回答という形で人々の感性を数値化したものであり,解析を行うことで市場のニーズや動向の把握が可能となる.アンケートデータは大規模な多次元データであるため,その解析には一般的に,様々な多変量解析手法が用いられてきた.その代表的な多変量解析手法として,主成分分析や因子分析,多次元尺度構成法などが挙げられる.これら多変量解析手法では,データを2次元の行列として扱っている.しかし例えば,SD法や評定尺度法では,データは評価対象×質問×回答者の3次元構造をしている.そのため,これらいずれかの次元を平均化することで2次元行列化したり,(評価対象+質問)×回答者の形で次元の統合を行うことがなされてきた.しかしこれらは,圧縮した次元での情報を失うことを意味する.本稿では,テンソルを用いることで,データの構造を保ったまま,データの解析を行う方法について検討する.