抄録
近年,多くの介護施設において会話ロボットを利用した認知症の予防・改善に関する取組み(ロボットセラピー)が進められている.しかしながら,セラピーに用いるロボットの多くは,決められた内容に沿って会話する「シナリオベース型」であるため,ユーザの発話内容に対して不自然な返答をする場合が多く,自然な会話を交わすことは難しい.そのため現在,会話内容に沿った柔軟な返答を自動生成する技術が求められている.これらの問題を解決するため,筆者らは概念辞書の一種である日本語WordNetを用いた話題認識法について検討してきた.提案法を用いることにより,簡単な日常話題については人間の感覚に近い認識結果を得ることが可能となった.本稿では,様々な話題に対応することを目的とした提案法の改良を試みる.具体的には,複数階層構造を考慮した共通上位概念群を用いた話題認識法を提案し,実際の会話データを用いた評価実験を行った.