2023 年 84 巻 5 号 p. 825-830
症例は62歳,男性.主訴は便潜血陽性.2年前に他院でメッシュプラグ法による左鼠径ヘルニアの手術歴あり.下部消化管内視鏡検査でS状結腸内腔にプラグと思われる腫瘤を認め,腹部CTでは腹壁と連続してS状結腸に壁肥厚を伴う軟部陰影を認めた.プラグのS状結腸穿通の診断で腹腔鏡下手術を施行した.術中所見ではプラグがS状結腸に穿通しており,プラグを含め腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.オンレイメッシュは切除せず,後壁補強は行わなかった.術後12日で軽快退院し,術後1年現在,ヘルニア再発を認めていない.比較的稀なメッシュプラグのS状結腸穿通に対し,腹腔鏡下に切除しえた1例を経験した.感染を伴わない症例においては,腹腔鏡下にプラグと穿通腸管の切除が可能であり,後壁の補強は不要と考えられた.