抄録
顔表情,顔温度,心拍数,瞳孔径の4つの指標を利用して被験者の感情の状態を推定する方法を検討した.3つの生理指標はストレスの影響を受ける自律神経系の働きによって変化すると言われているため,表情解析と組み合わせることで,より精度の高い感情評価ができることが期待される.各指標は,被験者に感情を生起させる動画像を提示しながら計測し,実験後に各被験者の快不快,覚醒鎮静の度合いを9段階で指定する主観評価を行った.この主観評価値と計測データから快・中立・不快もしくは覚醒・中立・沈静の各クラスへのメンバシップ値を計算した.計測データを並べた行列とメンバシップ値の行列の相関関係を正準相関分析により解析し,各計測データが属する主観評価のクラスを推定したところ,約55%の識別率が得られた.