日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
第28回ファジィシステムシンポジウム
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スマートフォンにおける半教師有り画像分類の応用
山口 崇志大堀 優
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 1111-1114

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抄録

近年、記憶媒体の大容量低コスト化と情報ネットワーク基盤の発達に伴い、大量の文字、画像、音声等のデータを収集し蓄積することが可能になった。常に増加し続ける大量のデータを人の手によって分析するのは現実的ではない為、データから機械的に特徴やルール等の知識を抽出する手法である機械学習への注目度が高まっている。一方で、画像や音声等の機械的な特徴抽出の難しいデータでは、人間の手による分析が実用的であることが多い。その為、全体のある部分集合のみ人間による分析を行い、それ以外を機械的に補完する、半教師有りの手法が転移学習の一つとして研究されている。 本研究では、複数の画像を特定のグループに分類する問題において、ユーザ数の確保しやすいスマートフォンを用い、不特定多数の人間によって与えられた教師データを基に半教師有り学習を用いて分類する手法を提案する。 現在のスマートフォンではタッチパネルを入力デバイスとして用いるのが主流であるが、一般的にタッチパネルを用いて複雑で正確な操作をするのは難しく、スマートフォンでの利用を考慮した場合、1つ1つの操作は単純であることが望ましい。したがって、不特定のユーザから入力された”似ている/似ていない”という2値の教師情報を基にある2つの画像間の非類似度を定義する。最終的にこの非類似度を距離関数として応用し階層クラスタリングにより分類を得ることを考えるが、ユーザによって与えられる2つの画像間の非類似度は画像の全体の組み合わせ数に対し疎である為、転移学習の考え方に基づき、明暗、色相、形状など複数の機械的な特徴量から入力の無い非類似度を推定する。 本研究では実運用に即して画像分類用実験データを作成すると共に、その実験データを用いて提案手法の有効性を検証した。

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© 2012 日本知能情報ファジィ学会
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