p. 436-439
Brain-Computer Interfaces (BCIs)は,四肢を動かすことなく,思考だけで機械を制御することや,他者とのコミュニケーションをとることができると期待される.BCIの中でも,P300を特徴として用いるP300 spellerが,有効なコミュニケーションツールとして知られている.しかしP300の誘発には個人差があり,その日の体調などにも微量だが依存する.そのため,操作前には毎回機械学習を行う必要がある.しかし,学習のための脳波計測は使用者にとって大きな負担となるため,本稿では,事前学習時間の短縮を目的として,未知データを用いた追加学習法の提案を行う.提案手法により,学習時間を短縮できるだけでなく,前回操作時のデータを用いることで,学習なしでP300 spellerを用いることが可能となることを示す.