抄録
昨今のロボットに関する研究の著しい進歩・発展を鑑みて近未来を予見したとき,人間とロボットは共生し,人間とロボット間で営む未来社会は,人間同士の生活と同様な日常として十分想像され得る.人間とロボットの共生社会を想定したとき,人とロボット間のコミュニケーションや,ロボットによる人と人の間のコミュニケーション支援等の実現も同時に予想される.このようなコミュニケーション支援を行う人間共生型ロボットには,人間の心理状態や場の雰囲気を“知覚” する機能と,それを“伝達” する機能が必要となる. 知覚部分について、我々は過去の研究で,“知覚”部分を実現するための提案及び実験を行い,簡易な脳波センサであるNeuroSky MindSetを用いることで高い精度での作業状態推定が可能であることを示した.しかし,MindSetによる測定脳波が,目の開閉をはじめとする筋電の影響を受けている可能性が示唆されている.本稿では,目の開閉を行わない一定の状態で安静と課題を繰り返す実験を行い,筋電による影響を調査した.