日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
第28回ファジィシステムシンポジウム
会議情報

メイン
階層型モジュラー強化学習による動的環境に適応した学習手法を用いる児童見守りアプリケーションの提案
伊賀上 大輔市村 匠
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 69-74

詳細
抄録

現在,児童が事件・事故に巻き込まれる事案が多発している.このような事件が発生するのを予防するため,地域ぐるみでの児童の監視体制の強化などの対策が従来行われてきた.しかし,児童の成長過程において自発的な行動をむやみに抑制することは,経験を通じた自主性の育成や,生活の知恵の獲得を阻害してしまう恐れがある.児童に対する危険を予防するためには,児童は自身の置かれている状況の判断を自身で適切に行えることが望ましい.そのためには,知識の押し付けだけでなく,経験を通じて状態と行動に対する発見的な知識を獲得することが重要であると考えられている.本論文では,児童の防犯意識,危険意識の啓蒙を行うために,児童の遊び場での行動をマルエージェントの追跡問題として捉え,ProfitSharingを上位階層として目標位置のプランニングを行い,Q学習を下位階層として行動学習を行う階層型モジュラー強化学習によるシミュレーションを行った.そして,学習で得られた児童の行動についてのルールを元に児童に及ぶ可能性のある危険を察知し,児童が安全な行動を取るきっかけを創発するエージェント機能を搭載したAndroidスマートフォンアプリケーションを開発したので,ここに報告する.

著者関連情報
© 2012 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top