抄録
近年,医療の現場ではコンピュータビジョンの技術を医療用画像に利用したいという要求がある.内視鏡画像はそのうちの一つである.すなわち,体内を撮影した二次元画像から三次元形状を復元し,医療診断の補助に利用するものである.しかしながら,内視鏡環境で精度の高い形状復元を行うには,点光源・透視投影の影響を考慮する必要があり,従来よく用いられる平行光源・平行投影下での形状復元手法をそのまま利用することは出来ない.そこで本研究では,従来の手法を拡張し,光学的条件と幾何学的条件を組み合わせて用いて未知の点の高さを求めることで,より適用範囲の広い形状復元手法を提案し,内視鏡環境への対応を試みる.