抄録
機械学習によるパターン認識において,特徴選択はシステムの実用化のための重要な要素のひとつである.しかしながら,識別に有効な特徴が明確ではなく,候補となる特徴が複数存在する場合が多いため,識別のために適した特徴の系統的な選択は困難である.既存研究では,特徴ごとに構築した識別器から,ファジィアンサンブルシステムにより,データに応じた適切な識別器を選択する複合特徴選択が提案されている.しかしながら,この手法では,入力次元数の増加によって計算時間が指数的に増加するという問題がある.そこで,本研究では,多次元入力へ適用可能な手法を開発するために,ID3(Iterative Dichotomiser 3)による複合特徴選択の提案を試みる.ID3は,特徴ごとに構築した識別器の判別結果から,識別過程を解析できる決定木を構築する.これにより,多次元入力へ適用した効果的な特徴選択を実現できると考えられる.本研究では,ベンチマーク問題において,提案手法の有用性を検証する.