抄録
近年,高齢化社会を迎え,認知症や脳卒中による要介護高齢者が急増している.彼らにとって機能回復・維持には継続的なリハビリテーションが欠かせない.しかし現状においてそれは忍耐の日々を意味する.既存のリハビリ訓練は,単調で苦痛を伴うか,あるいは楽しいだけで実効性に欠けることや,通院しないといけない点が問題とされる.さらに既存リハビリ訓練は運動機能か認知機能のどちらか1つに焦点づけられているため両者を同時に行うのは時間が過密になるため困難である.またリハビリテーションにおいては,自発的な運動はより高い効果を望める.しかし一般的には,理学療法士・作業療法士の指示・協力によって機器操作を行う事が必要となり,これは,自発的運動とは言えない.本稿では,自発的運動による認知運動療法に適したタッチパネルを用いたリハビリテーションシステムの開発を行う.また,非接触型インタフェースの開発も行い,タッチパネル操作との比較しSUS評価法と自由記述を用いて評価し,リハビリテーションへの適用を検証する.