抄録
認知症を患う高齢者数の増加は医学的・社会的な問題であり,認知症の予防・改善は重要な課題である.これらの課題を解決する手法の一つとして,現在,ロボットセラピーが注目されている.一方,認知症の進行度を評価する方法として,対面式のチェックテストが実施されている.しかしながら,これらの方法では対象者が「テストである」ことを意識してしまうため,普段とは異なる回答を行う場合がある.また,対象者の中にはテスト自体に嫌悪感を抱く人も少なくない.そのため,認知症チェックテストは対象者に意識されることなく実施できることが望ましい.そこで本研究では,セラピーで用いる会話型ロボットとの日常会話から,対象者にテストを意識されることなく認知症の進行度を評価するシステムについて検討する.本稿では,認知症の進行度を評価するための質問へ話題を誘導する方法,ならびにその誘導経路の検索方法を提案する.経路検索の手法について紹介するとともに,その妥当性と問題点についても議論する.