抄録
グループによる意思決定は,個人よりも優れているといわれ,日常生活でも,グループが個々の集まり以上の結果をもたらす場面に出くわすことは珍しくない.この理由のひとつは,各自が他者の意見を知ることで,個人のミスや見落としていた価値に気づき,自身の意見に修正を加えることで,より質が高い情報が得られることが考えられる.この各自の意識的な修正を促す支援として,決定に至るまでの途中経過を共有するデルファイ法などの有効性は示されている.しかしながら,各自が修正をしない場合でも,人が集まることの相乗効果で,各自が与える情報にある矛盾が他者の力を借りることで緩和されたり,個々人の和を超える価値が追加されることがある.本研究では,こういった自然発生的な各自の意見の相互作用に着目して,その影響を区間AHPの概念から考察する.