2016 年 4 巻 2 号 p. 266-270
腎移植後に進行性多巣性白質脳症(PML)と診断された2症例を報告する。【症例1】34歳男性。7歳時に急性進行性糸球体腎炎症候群を発症し,26歳時に父をドナーとする血液型適合腎移植を施行(抗胸腺細胞グロブリン使用)。タクロリムス(TAC),ミコフェノール酸モフェチル(MMF),メチルプレドニゾロン(mPSL)で維持していたが,術後8年目に頭痛で発症し,頭部MRI画像と,後に髄液PCR検査よりJCV-DNAが検出されPMLと診断した。TACをシクロスポリンへ変更し免疫抑制剤を漸減したが,全身状態悪化し死亡した。【症例2】38歳男性。低形成腎による慢性腎不全に対して36歳時に父をドナーとする血液型適合腎移植を施行(バシリキシマブ使用)。TAC,MMF,mPSLで維持していたが,術後3年目より記銘力低下を認め,頭部MRI画像でPMLを疑い,MMFをミゾリビンへ変更,TACを減量した。髄液PCR検査が陰性であったが,開頭脳生検でPMLの診断が得られた。TAC,ミゾリビンを中止し,構音障害などの後遺症は残ったが退院となった。