抄録
脳機能解析や VBM(voxel-based-morphometry)などにおいてMR画像を用いた個人脳間の画像位置合わせが用いられている.従来法では主に画像位置合わせの尤度を,脳全体の信号値の一致度とし,脳溝の一致を評価していないため,異なる脳回に位置合わせされる危険性がある.また,新生児脳はMR信号特徴が異なり,脳溝が狭いため,成人を対象とする従来法の適用は困難である.本文では,脳表近傍のMR信号値から算出される脳溝特徴分布(SDI; sulcal-distribution index)を用いたFlatteningにより,真球上でSDI相互情報量を最大化する3次元非剛体変形を行い,脳溝の一致度を尤度とした脳形状位置合わせを可能とする.また,変形時に緩和項としてバネモデルを使用することで真球上の制御点密度の偏りを減少させる.提案法を修正齢3から5週間の新生児3名のMR画像に適用した結果,緩和項を用いることで位置合わせ精度の向上が確認できた.