抄録
本稿では,道徳感情の概念を取り入れた傍観者ロボットの共感表出モデルを提案する.現在に至るまで,多くの研究者がロボットの様々な感情生成モデルを提案している.しかし,それらのモデルの多くは1:1の対人コミュニケーションを前提として設計されているため,集団コミュニケーションにおいて自然な反応を返すことができない.そこで,我々は当事者間のコミュニケーションに無関係の傍観者の立場にいるロボットに着目し,そのロボットが他者の感情表現を学習して協調的な共感表出を行うモデルを提案する.このモデルは,傍観者の立場でコミュニケーションに関わっているロボットが適切な感情表出を行うことを可能にすると考えられる.そこで,ニューラルネットワークを用いた感情生成モデルを持つ3体のロボットのインタラクションを想定し,心理学モデルを利用してこのモデルの動作をシミュレーションにより検証する.シミュレーション結果から,このモデルの適切な動作が確認された.