抄録
情報工学の教育には、プログラミングに代表されるソフトウェア技術と、計算機構成に代表されるハードウェア技術の2つの分野がある。福井工業高等専門学校では、これらの教育は個別技術の学習がまず最初に進められる。そして高学年次にそれらを取りまとめる形のシステム開発型演習を配置することで、理解の定着を図るカリキュラム構成としている。このようなカリキュラムは、個別技術がどのように応用されているのかを学生に意識させることが難しいと考える。 筆者らは、情報工学分野の幅広い技術の基礎を教育するために、低学年次からその応用であるマイコンを用いた演習を実施した。これは、応用技術を最初の段階で学生に経験させることで、その後の学習の動機づけにすることを狙ったもので、本報告ではその手法を述べる。