抄録
自己組織化マップ(SOM)の特徴の一つとして、対象とするデータ構造の可視化能力が挙げられる。この機能を活用して、防災デザインの観点から家屋の構造に基づいた災害リスク診断を試みる。本研究では、歴史的地方都市に存在する伝統的家屋に着目し、その構造情報をSOMに学習させた。その結果、危険度に応じて各家屋が配置されたと思われる特徴マップを獲得できた。また、危険度が中程度とみなせる複数の家屋データについて解析すると、各構成要素がトレードオフの関係で入れ替わりつつ、危険度を一定に保つ傾向が認められた。また、危険度が低いものから高いものへと家屋データを辿ってみると、これを反映するように各構成要素が変化していることも確認した。