抄録
本研究では計画・遂行機能を要するハノイの塔を用いたfMRI実験を行い,社会学習と個体学習による脳機能差の解明を目的とする.本実験での被験者は「社会学習グループ」,「個体学習グループ」また「学習なしグループ」の何れかに属した.3グループ共に課題内容は同一とし,課題間に異なる学習方法で課題学習を行った.課題内容は,MRI内で専用のコントローラを用いた5段のハノイの塔を解く課題(3問題,各40秒)を5試行実施した.個人解析結果より,社会学習グループに上前頭回の賦活の減衰,個体学習グループに舌状回の減衰が確認された.