主催: 日本知能情報ファジィ学会
会議名: 第34回ファジィシステムシンポジウム
回次: 34
開催地: 名古屋大学
開催日: 2018/09/03 - 2018/09/05
近年の日本の超高齢社会において、車いすは今後需要が増すと予想される福祉用具の1つとして挙げられる。中でも電動アシスト車いすは操作力が弱い人でも使用することができ、ハンドリムを漕ぐことによるリハビリテーション効果があるという利点もある。しかし一般的には、漕ぐ力に対して一定のアシスト比でしか補助を行わないため,急発進や急停止などになりやすいことや、バッテリの容量により行動範囲が制限されるなどの問題がある。 そこで本研究では、効率的走行を実現するためのファジィ推論型制御手法を提案し、漕ぎ方を様々に変えてその効果を検証する。具体的には、使用者が漕いでいる間は加速に必要な最低限のアシストトルクを出力して省電力化を行い、手を離した後はアシストトルクの減少量を調節して惰性走行を延ばすような制御システムを構築する。さらに漕ぎ方を漕ぐ強さと時間間隔で漕ぎ方をパターン分けして、電力効率と人力効率を測定する。効率が良い操作パターンにおいて提案手法の実験検証を行った結果、市販の電動アシスト車いすと比較して電力効率と人力効率の向上が実現されうることが示された。