日本顎関節学会雑誌
Online ISSN : 1884-4308
Print ISSN : 0915-3004
ISSN-L : 0915-3004
対側に非復位性関節円板前方転位を認めた陳旧性関節突起骨折の1症例
内田 貴之酒井 淳岡本 康裕多田 充裕大関 一弥若見 昌信
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 21 巻 2 号 p. 124-128

詳細
抄録

陳旧性関節突起骨折の1症例に対し,左右側下顎頭運動について検討を行ったので報告する。患者は48歳の女性で,1986年頃,顔面部を強打した。その後,開口障害の消長を繰り返し,2007年12月1日,開口障害を主訴に来院。左側下顎頭部に陳旧性骨折を認めたが,関節円板の位置は正常なため,右側顎関節症IIIb型と診断し,保存的療法で対処した。症状軽減後,下顎頭運動の測定を行った。その結果,骨折側下顎頭の前方移動量が少なく,両側下顎頭とも側方運動時の後方偏位が大きく,開口末期の左右側下顎頭運動の同調性に乱れを認めた。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本顎関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top