日本顎関節学会雑誌
Online ISSN : 1884-4308
Print ISSN : 0915-3004
ISSN-L : 0915-3004
症例報告
下顎骨関節突起骨折治療後に生じた顎関節強直症の3例
高原 楠旻中川 聡角倉 可奈子今井 英樹原田 浩之
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 28 巻 1 号 p. 28-34

詳細
抄録
下顎骨関節突起骨折治療後に継発した顎関節強直症3例を経験したのでその概要を報告する。症例1:42歳,男性。交通外傷により下顎骨傍正中,両側関節突起縦骨折に対して傍正中部の観血的整復固定術,関節突起骨折に対しては保存的療法が施行された。受傷1年後に開口障害のため,当科を受診した。両側顎関節強直症の診断にて関節間隙形成,筋突起切除,側頭筋筋膜弁移植を施行した。術後1年を経過し,開口域は42 mmであり,再発は認めない。症例2:35歳,女性。左側関節突起,左側筋突起,下顎骨傍正中骨折に対して症例1と同様に治療された。2年後に両側顎関節強直症の診断にて顎関節授動術を施行した。術後1年半を経過し,開口域は40 mmであり,再発は認めない。症例3:28歳,女性。下顎骨正中部,右側関節突起部骨折の診断にて観血的整復固定術が施行された。1年半後,右側顎関節強直症の診断にて顎関節授動術を施行した。術後8年を経過し,開口域は45 mmであり,再発は認めない。関節突起骨折の治療に際しては,顎関節強直症の継発リスクを考慮することが重要である。
著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本顎関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top