日本顎関節学会雑誌
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触診時圧痛測定システムの臨床応用に関する検討
佐々木 収藤澤 政紀神田 尚典石橋 寛二
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2000 年 12 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
薄い圧センサーを指先に貼付し, 触診時の荷重量を測定する装置を試作した。この圧痛測定システムを利用して圧痛閾値と荷重速度の関係を調べ, さらに触診時のトレーニングシステムとしての有効性を検討した。
20人の歯科医師を対象に触診時の圧痛閾値と荷重速度の関係を調べたところ, 圧痛測定用の測定プローブ使用時には, 圧痛閾値と荷重速度の相関が高かった (r=0.82) ものの, 触診時では相関が低かった (r=0.33)。この結果には両者の荷重方向の違いが影響しているものと考えられた。また, 目標を1.0kgfに設定した触診時の荷重量コントロールシステムとして応用した実験結果では, トレーニング前 (0.64kgf) とトレーニング直後 (1.25kgf) およびトレーニング1週間後 (1.58kgf) の間にそれぞれ統計的有意差を認めた (p<0.001; Sheffe's F-test)。目標値との差を比較しても同様に有意差を生じ, 触診時の荷重量制御にトレーニング効果が認められたことから, 本装置は触診トレーニングシステムへの応用が期待できるものと思われる。
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© 一般社団法人日本顎関節学会
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