日本顎関節学会雑誌
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顎関節症患者に対する低出力レーザー効果に関する臨床的研究
マイオモニターとの比較
荒尾 宗孝伊藤 暖果吉田 憲司高井 克憙深谷 昌彦
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1991 年 3 巻 1 号 p. 98-109

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抄録

わたくしたちは, 低出力レーザー (Nd: YAG レーザー, 実効出力350mW) を下関に照射し, 症状改善に良好な成績を得るとともに, サーモグラフィを用いて, 臨床症状の改善を客観的に判定できることを報告してきた。
今回は, 今まで使用してきたサーモグラフィ装置に可視像ミキシング装置を取り付ける事により, 熱画像と可視像の合成画が可能となり, 熱画像の温度分布状況を患者の顔面画像に位置付けることができるので, どの筋群に循環障害が出現しているかを, より客観的に判定できるようになった。
さらに今回は, MPD症候群を含めた, いわゆる顎関節症I型と診断された患者の中で, マイオモニター群50名と低出力レーザー照射群50名の治療成績を比較, 検討した。
この結果, 顎関節症I型と診断された患者に対する下関への低出力レーザー照射による治療は, マイオモニターによる治療と比較し, 約10日間治療期間を短縮することができ, 大変有効な治療法の1つであると考えられた。

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© 一般社団法人日本顎関節学会
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