日本顎関節学会雑誌
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大学1年生における顎関節症状自覚率の最近5年間の推移
鬼澤 浩司郎岩間 英明吉田 広
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1995 年 7 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

近年の顎関節症患者数増加の背景因子を疫学的に検討するために, 1989-1993年の間, 毎年2,000人以上の大学1年生に対して顎関節症状の自覚状況を質問表により調査した。調査した5年間において, 顎関節雑音および開口制限を自覚する者の割合に有意差は認められなかった。開口時痛においても1989年度を除いて自覚率の有意差は認められなかった。1症状のみを自覚する者や低頻度に症状を自覚するものは減少する傾向を認めたが, 主な3症状を自覚する者の割合や症状を高頻度に自覚する者の割合にはほとんど変化は認められなかった。
これらの結果より, 青年集団における顎関節症状を自覚する者の割合は, 顎関節症患者の増加傾向とは異なり, 近年ほとんど変化がないことが示唆された。

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© 一般社団法人日本顎関節学会
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