日本顎関節学会雑誌
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13-19歳の関節突起骨折の治療評価
二宮 史浩竹之下 康治窪田 泰孝中村 誠司白砂 兼光
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1996 年 8 巻 3 号 p. 515-525

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抄録
1988年1月から1993年12月までに当科で治療を行った13-19歳の関節突起骨折25例について評価を行った。
その特徴は以下の通りであった。
(1) 男性15例, 女性10例であった。骨折時の年齢は14歳から19歳で, 平均17.4歳であった。
(2) 18例 (72.0%) は片側性, 7例 (28.0%) は両側性であった。19例 (76.0%) は下顎骨他部位骨折を合併していた。
(3) 32側中14側 (43.8%) に観血的療法が施されていた。骨接合にはキルシュナー鋼線が6側 (42.8%), 骨縫合が4側 (28.6%), ミニプレートが4側 (28.6%) に用いられていた。
(4) 顎間固定は24例 (96.0%) に施され, 平均18.7日間であった (10日から37日)。
(5) 治療半年後の評価では経過良好で, 観血的療法と非観血的療法とでは臨床症状に大差はみられなかった。
(6) 治療前と治療半年後の軸位X線規格写真で関節突起の位置を比較したところ, 非観血的療法よりも観血的療法の方が, その関節突起の大半が本来の解剖学的位置に復元されていた。
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