日本顎関節学会雑誌
Online ISSN : 1884-4308
Print ISSN : 0915-3004
ISSN-L : 0915-3004
骨格性下顎前突症患者の下顎頭移動量, 顎態, 下顎窩形態
I級叢生患者と正常咬合者との比較
宇賀 茂武藤 寿孝川上 譲治松本 賢二金澤 正昭横山 一徳小林 宏樹武内 真利石井 英司
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 9 巻 3 号 p. 482-490

詳細
抄録

われわれは骨格性下顎前突症患者における下顎頭の滑走運動制限の頻度を調査し, この滑走運動制限と顎態および下顎窩形態との関連性を検討した。検索にあたり開閉口時の顎関節X線規格写真および側面頭部X線規格写真を撮影した。骨格性下顎前突症患者48人中20人, 96関節中30関節に最大開口時の下顎頭の滑走運動制限を認めた。しかしアングルI級叢生患者には一例認められたのみであった。骨格性下顎前突症患者において, 下顎頭の滑走運動制限をもつ患者はGonial angle, ∠SN-Mp, ∠Pp-FOCの計測項目で有意に大きな値を示した。しかし下顎窩形態とは関連性を認めなかった。

著者関連情報
© 一般社団法人日本顎関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top