日本顎関節学会雑誌
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多機能断層パノラマX線装置による顎関節側方リニア断層像の有用性
橋本 光二本田 和也新井 嘉則桑島 永治上野 正博島田 英治篠田 宏司
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1997 年 9 巻 3 号 p. 562-570

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抄録

各種のX線撮影法における下顎頭および下顎窩の骨変化検出率の違いについては, 未だ不明な点がある。本研究では顎関節側方リニア断層像の有用性を検討した。資料は, 顎関節症の疑いで日本大学歯科病院に来院し, 放射線科で各種撮影検査を施行した25例50関節のX線写真である。側面規格断層像を実態を現すもの, すなわちGold standardとして, 回転パノラマ像, 側斜位経頭蓋撮影 (シュラー) 像, 顎関節側方リニア断層像の骨変化検出率を比較し以下の結論を得た。
1) 側面規格断層像で50関節中, 下顎頭では24関節に, 下顎窩では8関節に骨形態変化が認められた。
2) 顎関節側方リニア断層像での下顎頭骨形態変化の検出率は, Accuracy 76%, Sensitivity 79%, Specificity 80%, 同じく下顎窩骨形態変化の検出率は, Accuracy 72%, Sensitivity 63%, Specificity 85%であり, 他の撮影法よりもやや高い検出率であった。

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© 一般社団法人日本顎関節学会
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