岩石鉱物鉱床学会誌
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香川県産第三紀安山岩および石英安山岩中の斑晶角閃石
氏家 治大貫 仁
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1976 年 71 巻 12 号 p. 389-399

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抄録

瀬戸内岩石区火山岩類中の斑晶角閃石とその母岩との化学的関係を調べた。角閃石中のSi量は,晶出時の々グマ中の自由シリカの量にかなり規制きれているようである。角閃石中には石基(液相)の約4分1のの量のK2Oが含まれ, KとNaの角閃石と液相とへの分配係数は平均で2.2である。母岩の相関係および角閃石に包有きれる輝石類の平衡温度の計算値から,これら角閃石は水に不飽和なマグマから900°Cよりも高温で晶出したものと思えるみ斑晶晶出時に角閃石制御の分別作用が生じれば残液は過アルミナ質組成へと変化する。また典型的なカルク・アルカリ岩系の一連のマグマが導かれるには,角閃石と共に何か鉄分に富んだ鉱物の晶出・分離が必要であろう。

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