岩石鉱物鉱床学会誌
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韓国・蔚山鉱山における斑銅鉱に富んだ銅鉱石中の三原鉱について
崔 善奎今井 直哉
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1983 年 78 巻 9 号 p. 350-360

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抄録

韓国・蔚山鉱山において, 1981年夏に掘削された試錐孔, No. US-8103は興味深い斑銅鉱に富んだスカルン銅鉱石を捕捉した。この鉱石の鉱物学的研究によって,著者らはこのなかから三原鉱 (Cu4FePbBiS6) をみいだした。この論文は,この蔚山鉱山産三原鉱の産状および鉱物学的諸性質を明らかにし,それが原産地である三原鉱山および明延鉱山の物質と類似の鉱物共生を示し,かつ化学組成・X線画折データなどについて、両者が良好な-致を示すことを述べたものである。そして,最後にこの鉱物の成因に言及し,それは鉄・タングステン主鉱化作用に引き続いた後期スカルン形成の時期における多金属鉱化作用の産物であって,これら複雑硫化物・硫塩鉱石の1部にInの濃集が認められることが指摘された。

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