1989 年 84 巻 11 号 p. 385-390
8 GPaまでの圧力で急冷凍結したアルバイト組成のガラスの密度とAl Kβ線の波長のずれを測定した。ガラスの密度は2 GPaの2.473g/cm3から8 GPaの2.743g/cm3まで連続的に増加するが2 GPaから6 GPaまでの密度の増加率は大きい。これはこの圧力においてアルバイトメルト中で何らかの構造変化が起こり始める為かも知れない。アルバイトガラスのAl Kβ線の波長は急冷凍結の圧力が高いほど高エネルギー側にずれ, 8 GPaではコランダムのものに近くなる。この様な密度とAl Kβ線の波長測定の結果は, 6 GPa以上の圧力において6配位のAlの存在を示唆する急冷凍結したアルバイトガラスの27Al-NMRスペクトルの測定結果と矛盾しない。