抄録
本稿では,大学が地域で価値創造を担い,ビジネス・エコシステムを構築するための理論的課題を特定し,それらを構築できる条件を示す.大学は弱いつながりをもつ主体として位置付ける.条件とは第1に,大学による企業や自治体の課題共有であり,さらに,それらの課題を特定し解決する能力を養う,教育プログラムの実施が必要である.第2に大学における地域や企業の課題を解決するための価値(利益)設計である.地域や企業の課題を大学と相談することで,学生の積極的な支援が促進されるシステムを構築することである.地域の課題解決人材の育成につながる.