日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
すれ違い咬合症例に対して部分床義歯により口腔機能回復を行った症例
和田 誠大
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2013 年 5 巻 2 号 p. 192-195

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抄録
症例の概要:患者は初診時74歳女性で,主訴は顎堤部疼痛による咀嚼困難であった.残存歯による咬合支持が喪失し,すれ違い咬合を呈し,また顔貌より咬合高径の低下が疑われた.また欠損部顎堤の吸収が著明であった.歯周および補綴前処置を行い,旧義歯にて咬合挙上および咬合平面の修正を行った後に,部分床義歯にて咬合を回復した.
考察:本症例では,義歯の剛性に配慮したこと,またすれ違い咬合であったが,下顎左側最遠心部に歯が残存し,中間欠損化できたことが,早期の咀嚼困難の改善を達成できた要因と考えられる.
結論:咬合高径の低下ならびにすれ違い咬合に対して,前処置と義歯の設計を適切に行い,良好な咬合機能の回復が図れた.
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© 2013 社団法人日本補綴歯科学会
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