抄録
グローバル展開が進む世界のホテル産業では,ホテルマネジメント契約が普及している.ホテルマネジ メント契約を締結したホテルでは,ホテルオペレーターが不動産所有者であるホテルオーナーのホテルに 総支配人を派遣し,重要な意思決定を含め全面的に運営の指揮を執る.このような状況は,19世紀の工場 において普及していた内部請負制度と類似する.内部請負制度との比較を通して,ホテルマネジメント契 約を新しい請負制度と位置づけた.製造業において科学的管理法が導入されるまで採用されていた内部請 負制度と類似する形態がホテル産業に復活している現状を示し,この一致がホテル運営さらにはサービス 全般における熟練を考える上で手がかりになることを主張した.