言語文化教育研究
Online ISSN : 2188-9600
ISSN-L : 2188-7802
寄稿論文
分断の時代におけるナラティヴとストーリーテリング教育
協働的デジタル・ストーリーテリング実践の事例
小川 明子
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2018 年 16 巻 p. 45-54

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抄録

現在,インターネット社会において,周縁化されがちな弱者の意見は,フィルター・バブルがひしめく中でかき消され,時に激しいヘイトスピーチの下に晒されがちである。そこで,彼らが声を上げることは難しい。本稿では,米国のストーリーテリング実践,日本の生活記録運動や臨床領域で展開されるナラティヴ・アプローチなど,ストーリーテリングの手法を活用して,他者理解や連帯,社会参画を目的に展開されてきた実践の系譜を辿りながら,周縁化されがちな人びとにとって,物語を協働的,対話的に生成し,共有することがエンパワメントにつながるという道筋を示す。またその視点から,デジタル・ストーリーテリングを再検討し,デジタル時代における協働的なストーリーテリングの利点について再検討する。

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