日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
縦列傾向のある食道アフタを認めたCrohn病の1例
下立 雄一渡邊 秀平西岡 均萩原 武前田 聡小澤 広黒河 聖中野渡 正行本谷 聡今村 哲理
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2009 年 51 巻 10 号 p. 2699-2703

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抄録

症例は21歳,男性.主訴は肛門部痛.2006年頃から肛門部痛が出現し,2007年11月に小腸大腸型クローン病と診断された.入院時から嚥下時痛があり上部内視鏡検査を施行したところ,食道に縦列傾向のあるアフタを認めた.完全中心静脈栄養に加えてmesalazine粉末250mg/dayとrabeprazole 10mg/dayの内服にて数日で嚥下時痛の改善を認めた.Crohn病の食道病変に対してはmesalazine粉末やproton pomp inhibitor(PPI)内服が有用なことがあり,ステロイド開始前に一度は考慮すべきと思われる.

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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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